「桃内霜月」

1998年12月

「桃内霜月」

 浜辺の小石を踏むとガサッと霜柱がくずれて、もうすっかり冬支度を終えたこの小さな漁港に、いま聞こえるのは静かな波音だけ。
 気温が下がると大気の透明度が増幅して、風景の輪郭が際立って見えるのもこの時季の特徴だ。しかしながら寒さもいまはまだ序の口、このあといっきに、厳しい白一色の季節がやってくる。


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